マニュアル世代とはどの世代か◆マニュアル君本誌1994年版収録。以下、
言われた通りにまっしぐら、言われないと何もしない若者。常識は通用せず、本や先輩の行動をまねるだけ。初歩的な失敗を繰り返す。 ◆メンタツ本誌1992年版収録。以下、
面接の達人、略してメンタツ。こういう本が売れている。1991(平成三)年の3月半ばすぎ、問題集(男子編)、同(女子編)とわかれ、はじめは大学の生協や大学近くの書店で売れていたが、ぐんぐん売上げを伸ばし合計20万部、かくれたベストセラーになった。労働省の調査によると、大卒の91年就職予定者は35万3000人。90年とほとんど変わりはない。つまり、3人に2人はこの本を読んでいることになる。著者は博報堂の元CMプランナー、トレンド・クリエーターの肩書を持つ中谷影宏(早大文学部出身)。執筆の動機は、毎年100人近い後輩が訪ねてくるが、その結果、面接のマニュアルの必要性を感じたからという。氏によればじっくり話してみるとなかなか面白い人物なのだが、5分か7分ではよくわからない。ところが面接は要するに、「自分という商品を売りこむ」ことにつきる。 その内容は自己紹介と志望動機である。それには試験官に自分を印象づけることである。かつてサッポロビールでこういうケースがあった。一人の学生さん何をきかれても答えない。しびれを切らした試験官が「君、君、いま採用試験中である。我々の質問に答えたらどうかね」といったらその学生「男はだまってサッポロビール」といった。これは、そのころのサッポロビールのコマーシャルである。彼は採用になった。 彼は奇手を用いたわけだが、相手の試験官は海千山千である。しかし画一的なのはいけないといっても、やっぱり(1)具体的であること、(2)いいわけはしないこと、(3)慣用句は使わぬこと、その辺はまず常識である。 ◆『完全自殺マニュアル』本誌1997年版収録。以下、
「完全自殺マニュアル」(鶴見済著、太田出版)は、1993(平成5)年に出版され、自殺の方法を具体的に紹介した衝撃的な内容にもかかわらず、ベストセラーになった。この本が中高校生の自殺を助長しそうであるというので、学校や公立図書館で貸出の扱いを慎重にする動きがある。 ◆鶴見済『完全自殺マニュアル』の著者・鶴見済によれば、自分をを含めて「'80年代に高校生、大学生だった」世代が、一般にいわれているマニュアル世代。 ◆指示待ち族1981年の語。この年の新入社員の傾向を指すことば。現代コミュニケーション研究所(坂川山輝夫所長)の造語。「いわれたからやる。いわれないことはやらない」若者が多くなってきた。「自分を犠牲にした母親の過剰な奉仕になれた結果」(千石保)という見方もある。1958年〜生まれ。 ◆共通一次世代/共一世代国公立大学入試に共通のマークシート式試験が導入されたあたり(あるいはその後--1960年前後生まれ)の世代。導入の根拠のひとつが「難問奇問による受験生の負担を減らす」だったのだから、この環境で育った世代の即応能力が低下し、マニュアルに頼るようになるとしても道理であろう。 この世代は、五無主義(無気力、無責任、無関心、無感動、無作法)、三語族(「ホントーっ」「ウッソーっ」「カワユーい」の三語で全ての感情を表す人)、指示待ち族、アーパーギャル、アッシーくん…等の汚名を受けつづけている。 ◆カタログ世代1960年代生まれをこう表現する場合がある。1977年創刊の『POPEYE』をはじめ『Hanako』『ホットドックプレス』などなど“カタログ系”の雑誌からノウハウを学んだ世代で、マニュアル世代という言い方と意味が重なる。現在はこの種の雑誌のトップは『○○ウォーカー』。 ◆団塊ジュニア団塊の世代(1947−49年生まれ)の子どもの世代(第2次ベビーブーム)で71−73年生まれ。 感性豊かな“イルカ世代”ともよばれ、その意味からは“マニュアルを必要としない”はずなのだが、マニュアル世代にカテゴライズされることが多い。 ◆イルカ世代本誌1994年版収録。以下、
団塊ジュニア世代を電通が命名。流行や新製品情報を知らなくても気にならないとクールな反応を示し、経済的な豊かさより心の豊かさ、理論より自分の感覚を大事にする。感覚に自信のある表れ。親の世代や社会に反発する従来の若者像と違って、両親を尊敬するのが八割近い多数派。人への思いやりと並んで、人に迷惑をかけないことを心がけるなど人間関係への気配りが、群れて回遊するイルカに似ているという。 ◆クチコミ世代昨今では「マニュアルすら読まない世代」という言い方がある。ではどうしているかというと、彼らはケータイやインターネットを通じてクチコミ情報をもとに行動している。パーソナルでローカルな情報が最も有効な場合も確かにあるが、それも時と場合による。 ちなみにクチコミ(人の口から口へ個別的に伝えられるコミュニケーション)は1963年あたりの新語。 ◆リセット/リセット世代本誌1998年版収録。以下、
もともとはパソコンゲームで失敗したり闘いに負けたとき、ボタンを押していったん終わらせ、最初からやり直すという意味。軽くて使い易いところから、恋愛や就職などほんらい重々しい場面で使われるようになり、1997(平成9)年度の新入社員につけられたあだ名が「リセット世代」。これまでの「新人類」と似て、ベテラン社員が恐怖するパソコンや流行に強く、表面的な社交に長けた優等生だが、酒に誘うと「それは業務命令ですか」と尋ねたり、ちょっと叱ると文字どおりリセット(辞職)してしまう。いま時の若い者は…。 |
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