鉄道・旅行ガイド・紀行
パリ
世界各地を旅してきた私が惹かれ続ける愛おしい街
- 下重 暁子
河村 真奈 ベストセラー作家がパリで30年暮らした長年の友人と語る大人の旅の楽しみ方
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- 定価 1,540 円(本体 1,400 円 + 税)
四六 判/ 168ページ
2024年07月30日 発行
ISBN 978-4-426-13020-6 - *ご注意 発行年月日は奥付表記のものです。実際の発売日とは異なります。
パリと聞くと、胸がキュンとする。懐かしさ、愛しさ、寂しさ、もろもろの感情で胸がいっぱいになる。
一度でいい、住みたかった。しかし大学を出て毎日仕事に追われるうちに、今の年齢になってしまった。
そのパリに当時十年以上住んでいるという女性が、私が審査員を務める旅行作家協会のエッセイ賞に応募してきた。
それが河村真奈さんである。
パリでの再会を約した一年後、私とつれあいが恒例によりパリへ出かけたとき、
シャンゼリゼ通りに近い常宿のランカスターへ彼女が迎えに来て、夕食を共にした。
それまでもパリは何回も訪れていたが、十年以上生活した彼女ならではのパリに連れてゆかれ、
南仏や北の海など、知らない風景や文化に触れることができた。
西洋美術を本場で学び直したいと渡仏し、マティスの研究に至った彼女の感性は私と相通じるところがあり、
会うたびに共に行動した。何しろペラペラな彼女のフランス語で人知れぬ味に出会ったり、
隠れ家のような美術館に目を見張ったり。楽しい刻(とき)を持つことができた。
そのたびに新しい友人が増えた。人は人を呼ぶ。これまでたくさんの人や、たくさんのパリに出会った。
その一部をお教えしようと思う。
私のパリは本当はあまり知られたくないけれど、あなたのパリが拡がるお手伝いができれば幸せである。
想いを馳せて……
下重暁子
(「はじめに」より)
著者紹介
下重 暁子 (しもじゅう あきこ)1936年生まれ。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業後、NHKに入局。
アナウンサーとして活躍後、民放キャスターを経て文筆活動に入る。
丹念な取材をもとにしたノンフィクションから
家族や生き方をテーマにしたエッセイ、評論、小説まで幅広い作品群がある。
主な作品に、ベストセラーとなった『家族という病』『極上の孤独』『年齢は捨てなさい』(幻冬舎新書)、
『不良という矜持』(自由国民社)、『ひとりになったら、ひとりにふさわしく 私の清少納言考』(草思社)など。
1967年生まれ。多摩美術大学絵画科油画・版画専攻卒業後、1992年に渡仏。
レンブラント、ゴッホ、印象派の研究で知られる美術史家パスカル・ボナフ氏に師事し、
パリ第八大学美学・美術哲学科で博士前期課程DEAを取得。
その後パリ、マティニョンの美術画廊勤務を経て、現地で美術オークションの仕事に従事する。
2005年日本旅行作家協会主催、旅のエッセイ大賞受賞。
目次
プロローグーオリンピックが私をパリへ導いたー
Chapitre1
パリから北へ―隣合う二つの街が織り成す景色―
パリといえばセーヌ川と橋
やるせない恋が似合う街「パリ二十一区」ドーヴィル
ドーヴィルとは対照的な漁師町、トゥルーヴィル
デュラスのアパルトマンでの特別な体験
ドーヴィルとトゥルーヴィル、それぞれの魅力
個があって、自由があるフランス人
Chapitre2
パリから南へ―南仏に息づく画家の魂―
地中海沿いの街・アンティーブでの幸福な出逢い
サン=ポール=ド=ヴァンスの迷路に潜むホテル
「感じる」旅、「物語」のある宿
ニース近郊で出会ったマティスのシャペル
コクトーゆかりのサン・ピエール礼拝堂
シャガールの愛らしいお墓
国境近くの小さな村・ドルチェアックア
ゴッホ・画家という名の狂気
パリの古いアパルトマンに住む友人の画家
Chapitre3
パリの街を彩る文化―食とその奥に見えるもの―
日本の物と一味違うフランスの牡蠣
パリの星空の下で、極上のディナーを楽しむ
その土地に紛れるのが旅の流儀
旅には「人となり」や「信念」が現れる
ヘミングウェイが愛した「ポリドール」
パリのカフェは「サロン」だった
忘れ得ぬパリの女(ひと)
Chapitre4
パリに生きてパリに眠る―芸術と共にある暮らし―
パリ、とっておきの美術館
セーヌ川の氾濫で気づくこと
パリの「ドラッグストア」
パリの風物詩・デモに思う
名画に登場した「北ホテル」
心に残るホテルのおもてなし
モネの愛したセーヌ河畔の街・ヴェトゥイユ
個性豊かなパリの墓地
モンパルナスに眠る、ある日本人画家の生涯
デュラス・劇場(テアトル)・インディゴブルーの夜
エピローグーエッフェル塔に灯がともるまでー