豊かさ指標◆都道府県の豊かさランキング(1992)本誌1992年版収録
日本開発銀行設備投資研究所は1990(平成2)年に「東京が豊かで地方が貧しいか」と題するリポートをまとめた。 この中で、1人当たりの都道府県民所得、平均労働時間、新築住宅1戸当たり床面積、公共水道普及率、大学進学率、1万人当たり医師数など24のデータを使い、全体の平均値を100として算出している。こうしたデータに基づいて行う評価の項目は「所得のゆとり」「時間のゆとり」「空間のゆとり」「文教・余暇」「安心・安全」の5つにわたっている。 それによると、東京は総合指数で首位であるが、住宅など空間のゆとりや安全面では下位にとどまる。所得では東京、神奈川、愛知など大都市圏が名をつらねているが、時間では大分、熊本、文教・余暇では奈良、兵庫、また安心・安全では高知、長崎がそれぞれ1、2位を占めている。そのため、地方は所得は低くても、優れている特徴を評価して、地域づくりに取り組むべきだと出張されている。 ◆都道府県別豊かさ総合指標(1993)本誌1993年版収録
経済企画庁が生活の便利さや安心度などの統計を点数化したもので、その都道府県別の結果が1991(平成3)年度国民生活白書に発表された。それによると、豊かさ指標の1位は山梨県、次いで長野県、富山県がトップを占めている。これに対し住宅取得価格や家賃が高く、下水道やごみ処理施設などの社会基盤整備が遅れている千葉県や埼玉県は最下位となり、大都市圏は住みにくくて豊かでないとされたため、論議をよんだ。 ◆豊かさ指標(PLI)本誌1993年版収録
国民の暮らしの豊かさの程度をつかまえる指標で、正規には「国民生活指標」。経済企画庁が作成する。国民生活指標は、1991年まではNSI(New Social Indicators)として作成されていたが、92年度からはPLI=ピープルズ・ライフ・インジケーター(Peples Life Indicator)として作成されている。「成人した個人の豊かさ」に視点を定め、「住む」、「費やす」、「働く」など8つの活動領域と、「安全・安心」など4つの評価軸を取って、時系列の変化と地域別の水準差を調べている。視点を個人に定めて、複数の基準で評価するのが特徴。たとえば「離婚率」の上昇は家庭生活からはマイナス評価を与え、個人の自由度基準からは自由度が増えるからプラスと評価している。 ◆豊かさ指標(1995)本誌1995年版収録
経済企画庁が発表した1994(平成6)年版の新国民生活指標(通称、豊かさ指標)の都道府県別の結果は左掲のとおりである。指標は8つの尺度で構成されるが、住環境を示す「住む」は富山がトップ。持ち家の比率の高さや公園面積の広さが高得点につながったためで、鳥取、福井がこれに続き、北陸、東北地域の点数が高い。東京は持ち家比率が低く1人あたりの畳数も少ないのに、家賃は高く、最下位となった。「働く」では、東京が賃金の高さや実労働時間の短さにより首位になっている。消費や所得の水準を表す「費やす」も東京が1位。「学ぶ」は図書館などの文化施設が多く、進学率も高い石川がトップである。医療、保健の状況を示す「いやす」では、身障者のための施設や病院の整備が進んでいる福井が1位で、ここでも北陸地域の健闘が目立つ。 ◆豊かさ指標(1996)本誌1996年版収録
経済企画庁が1995(平成7)年版の豊かさ指標(PLI、新国民生活指標)を発表した。 指標は8つの尺度で構成されるが、住環境を示す「住む」は富山がトップ。持ち家の比率の高さや公園面積の広さが高得点につながったためで、鳥取、福井がこれに続き、北陸、東北地域の点数が高い。東京は持ち家比率が低く1人あたりの畳数も少ないのに、家賃は高く、最下位となった。「働く」の長野県は有効求人倍率が高く、「費やす」「遊ぶ」で1位の東京はカラオケボックスの多さなどが評価につながったという。「学ぶ」は図書館などの文化施設が多く、進学率も高い石川がトップである。医療、保健の状況を示す「いやす」では、身障者のための施設や、病院の整備が進んでいる福井が1位で、ここでも北陸地域の健闘が目立つ。 ◆豊かさ指標(1999)本誌1999年版収録
経済企画庁は、国民生活の生活水準を、地域間や時点間で比較するための新しい指標として「豊かさ指標(新国民生活指標)」を発表した。これは、従来「国民生活指標」として作成した指標を改訂したものであり、国民生活に関連ある統計数字指数に換算した後、8分野に分類して集計するものである。 府県間比較のための指標から得られる府県順位であるが、分野別に大きな差が見られる。 「豊かさ指標」ベスト3/ワースト3
総合指標順位(都道府県名に続く数字は総合指数。[ ]内は前年順位。)
各指数順位
◆豊かさ指標(2000)本誌2000年版収録
経済企画庁は、国民生活の生活水準を、地域間や時点間で比較するための新しい指標として「豊かさ指標(新国民生活指標)」を発表した。これは、従来「国民生活指標」として作成した指標を改訂したものであり、国民生活に関連ある統計数字指数に換算した後、8分野に分類して集計するものである。これに基づき府県間比較のための指標から得られる府県順位が公表されていたが、1999(平成11)年からは発表が中止された。 ◆豊かな日本、貧しい介護本誌1992年版収録
東京で開かれた介護問題シンポジウムのスローガン。看護・福祉分野での人手不足はますます深刻。 |
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