栗原はるみカリスマという流行語がすたれた昨今でも人気を保ち続ける…カリスマ主婦といえばこの人である。 ◆静岡県下田市伊豆半島先端の景勝地であり、近海からあがる魚類・岩のり・塩から・わさび漬け等々の産物でも知られる。 また栗原の出身地。両親は印刷業経営。栗原の母・菊間博子(1922生)は毎朝4時半に起床し、従業員の分も含めて三食プラス夜食のご飯を毎回炊き、冷たい飯は決して食べさせなかったという。ゴマが好きなところや料理のレパートリーなど受けた影響は大きく、2003年3月には、母との共著「覚えておきたい母の味」が出版された。 ◆栗原玲児1933〜 栗原はるみの夫。テレビ朝日「モーニングショー」などで人気を博したキャスター。2人が結婚したのは玲児40歳、はるみ26歳のとき。根っからの専業主婦だったはるみだが、ホームパーティなどでの料理のうまさが口コミで評判になり、テレビ番組「夕食バンザイ」の制作に裏方としてかかわるように。やはりこのサクセス・ストーリーには、玲児の存在が大きい。その後、はるみは女性誌「LEE」での焼肉特集がきっかけで料理研究家として一本立ちし、今日に至っている。玲児自身もかなりの料理好きで、洋風の料理はその薫陶によるところも大きいとのこと。 ◆ゆとりの空間栗原プロデュースによる、生活提案型ショップ。1995年営業開始。食器やキッチン雑貨を扱うほか、カフェやレストラン、フローリストの併設も。原宿が本店で、ほかに藤沢、京都、広島、博多に店舗がある(2003年3月現在)。料理のみならず、器や花飾り、家事の工夫、ホームウェアまで栗原が提案する「楽しい暮らし」のエッセンスがたっぷり盛り込まれている。 ◆エプロンapron 料理の時などに身につける前かけ。栗原は大のエプロン好きで、とうとう自らデザインするようになった。巻きスカート風、ワンショルダーのもの、そのまま外に着ていけるエプロンドレスなどさまざま。エプロンが好きな理由については「ほかの人よりもエプロンをしている時間が圧倒的に長いので、洋服と同じように自分らしいものを着たいと思うようになった」と語る。 ◆さもない「たいしたことではないが、ちょっとよいこと」の意で、栗原がよく用いる言葉。たとえば、朝のゴミ出しを少しでも楽しくするため、Tシャツの上から着られる小ぎれいなジャンパースカートタイプのエプロンを考案したり、秋には木の葉型の皿を玄関に飾って気分を出したりと、生活を楽しむちょっとした工夫がこのことばで表現される。本来は「大したことはない」というだけの意味だが、「…が、ちょっとよい」のは栗原的用法である。 ◆テレンス・コンラン卿Sir Terence Conran 1931年英国ロンドン生まれ。家具のデザイン、インテリアやレストランのプロデュースなどを手がける。1973年にはじめた「ザ・コンランショップ」はロンドン、東京、パリなど世界中で展開。栗原夫妻もこの店のファンでよく足を運んでいるが、1998年、ロンドン旅行の折、コンラン卿との対面が実現した。 ◆たれ料理につける味のついた汁。栗原はたれやソースに対するこだわりが強く、自身「永遠のテーマ」とよぶほど。その理由として「いちいち量る面倒がない、味が決まりやすいという利点もあるが、新しいたれができるとどんな料理に合うかと思ってドキドキする」と語っている。このテーマの著作に「たれ・ソースレシピ」などがある。 ◆ウースターWorcester 英国ロンドンから北西へ約180キロにある都市。ソース発祥の地といわれ、ソースに特別な関心を持つ栗原はイギリス旅行の際、真っ先に訪れたという。ホワイトソースやアメリケーヌ・ソースというものもソースと呼ぶのだということを日本人が知るはるか以前、中濃ソースやとんかつソースといったソースすら出る以前の日本では、ソースはウースターソース(正式にはWorcestershire sauceのようなもの)のみであった。ちなみにウースターソースの起源は、同地の主婦が野菜や果物の残りを塩、酢、こしょう、香辛料と混ぜて数ヶ月保存していたところ、味も香りもよくなっていたことによるという。または、同地の企業リー・アンド・ペリンス社が19世紀半ばに開発したとも。 ◆ハルラー栗原の信奉者の総称。栗原にあこがれ、髪、着る物、ライフスタイルまでそっくりまねようとする。1999年、三越銀座店で行われた「栗原はるみフェア」には主婦を中心に十万人のファンが詰めかけた。一時流行した「アムラー」などは言葉だけでなくその存在も廃れたが、「ハルラー」の場合、その支持層は根強く生きつづけている。 ◆「すてきレシピ」栗原が扶桑社から刊行している季刊ムック。96年3月創刊。料理はもちろんのこと、器、エプロン、飾りつけ、庭づくり、日本や世界各地のおすすめ名産・名店などなど、栗原流・人生を楽しむアイディアのエッセンスがつまったシリーズ。毎号、30万部前後の売れ行きを示すという。それは驚異的なことだ。 ◆有元葉子栗原とならぶ人気料理研究家。雑誌編集者をへて専業主婦となり、三女を育てる。家庭料理からベトナム、イタリア料理まで、斬新でシンプルなレシピが人気だが、特にイタリアンに定評がある。自身、伊ウンブリア地方に第二の家を構えるほどのイタリア好きで、年に数ヶ月はイタリアで生活。著書に「イタリア田舎生活の愉しみ」など。 |
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