e−ポリティックス◆テレポリティックス (Telepolitics) 〔1958年版 政治用語追補より〕テレビによる政治という意味のアメリカの新語。マスコミのメディアのうちでもっとも強力なテレビが4軒中3軒にまで普及しているアメリカで、政治家がこれに目をつけるのは当然の話。アイク大統領 (アイゼンハワー第34代大統領) には専門の役者がついていて、テレビ演説のときに演技をつける。テレポリティクスが最高潮に達するのは大統領選挙戦で、大物候補者の選挙演説には党でゴールデンアワーを買いきって全国網にのせる。日本でも石橋前首相の選挙放送の案が岸首相にも引き継がれているし、テレビの普及ぶりも思いのほか早いから、やがてテレポリティクスの時代に入るだろう。 ◆テレポリティックス (telepolitics) 〔1994年版 時代感覚用語より〕「テレビ政治」、「メディア選挙」。テレビジョンというマス・メディアが政治のあり様に大きなインパクトを与えるようになった最初の予兆は、やはり何といっても1960年に行われた「ニクソン対ケネディ」のアメリカの大統領選挙であった。ノルマンディ作戦の英雄ドワイト・D・アイゼンハワー大統領のもとで2期8年間も副大統領をつとめたリチャード・M・ニクソン (共和党) と当時ほとんど無名だった若き上院議員ジョン・F・ケネディ (民主党) の一騎打ちだから、みんな「ニクソンの楽勝」と思い込んでいた。しかし“大討論” (great- debate) の際、ニクソンはテレビ・カメラの前にほとんど化粧っ気のないペイル・フェース (青白い顔) をさらけ出してしまったため、メディア利用のうまいケネディにまんまとやられてしまった。 ◆メディア選挙〔2000年版 ジャーナリズム用語より〕マス・メディアに取り上げられるようなスローガンやキャンペーンを繰り広げることによって、間接的に有権者に働きかける選挙方法。候補者が直接有権者に働きかけるのではなく、まずマス・メディアを対象とした選挙戦略であることに特色がある。アメリカで中心となるのは、テレビ討論、全国党大会の中継、テレビ・コマーシャルで、そのためテレビ選挙ともいわれる。日本では1990 (平成2) 年2月の総選挙で、 (1) 5党党首討論会のテレビ中継、 (2) 各党のテレビ・コマーシャル、 (3) テレビによる開票速報競争が行われたため、メディア選挙元年といわれた。NHKは96年10月の総選挙で有権者の「街の声」の放送を自粛した。民放でも「激戦地ルポ」など選挙区ごとの情勢分析をとりやめた社がある。 ◆Eポリティクス (e-politics) 〔2001年版 アメリカ用語より〕インターネットを媒体として展開される政治をさす。アメリカではすでにEポリティクスが威力を発揮しつつある。マケイン上院議員が、予備選最初のニューハンプシャー州で大勝したのも、インターネットのウェブサイトを用いた集票活動の成果であった。マケイン議員はウェブサイトによる政治資金集めでも、好成績を残している。E投票、すなわちインターネットを用いた投票も、一部地域の予備選挙で試験的に採用されており、本格的な導入も遠くはない。21世紀のアメリカでは、Eポリティクスの全面的な開花が期待される。 |
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